犬の病気
|
@ 犬ジステンパー
犬ジステンパーは、強い感染力があり死亡率も高い伝染病です。感染動物との接触や感染動物の排泄物、鼻汁や唾液飛沫と接触したり、吸い込んだりすることで感染します。高熱が出て、目ヤニや鼻水などがみられ、元気や食欲がなくなったりします。下痢や嘔吐もみられます。病気が進むと脳炎を起こしたり、神経系がおこされケイレンがあらわれたりすることもあります。このような場合は死亡率も高く、後遺症が残ってしまうことも多いので早めに獣医の診察が必要です。
|
A 犬伝染性肝炎
犬伝染性肝炎は、子犬では感染率、死亡率とも高く、なかには症状が現れてから数時間で死亡してしまう場合もあります。感染犬と接触することにより主に口や鼻からうつります。また、この病気が治ってもオシッコの中に半年以上もウイルスが排泄されることがありますので注意が必要です。肝臓などがおかされ、元気消失、鼻水、食欲不振、下痢、嘔吐や扁桃腺のはれなどの症状がみられます。病気の回復期に目が白くにごることもあります。
|
B 犬アデノウイルス2型感染症
犬アデノウイルス2型感染症は、このウイルス単独の感染で起こる症状はセキなどでかるいのですが、他のウイルスや細菌との混合感染により「ケンネルコフ」をおこします。
「ケンネル」とは英語で「犬舎」、「コフ」とは「咳」のことです。つまり、「ケンネルコフ」とは、犬がたくさん集まる犬舎などで、流行する咳の症状がめだつ伝染性気管支炎や咽喉頭炎のことです。
|
C 犬パラインフルエンザウイルス感染症
犬パラインフルエンザウイルス感染性は、セキ、鼻水が主な症状ですが、このウイルスもケンネルコフの原因の1つです。
|
D 犬パルボウイルス感染症
犬パルボウイルス感染症は、非常に伝染性が高く、子犬では死亡率も高く恐ろしい病気です。犬パルボウイルスは、感染犬の糞便からうつります。ウイルスは非常に抵抗性が強く糞便中に排泄されてから、一般的な環境の中では何ヶ月も生き続けることができます。ひどい下痢や血便、嘔吐などを起こす腸炎型と希に健康そうにみえる幼い子犬が突然死亡してしまう心筋炎型があります。
|
E 犬レプトスピラ症
レプトスピラは、犬や多くの野生動物、家畜そして人間にも感染する人畜共通感染症です。感染動物の尿中にはレプトスピラ菌が大量に排泄され、それが口や皮膚のキズなどから侵入してうつります。黄疸出血型(レプトスピラ・イクテロヘモラジー):黄疸、発熱、嘔吐、下痢や歯茎からの出血などがみられ、尿毒症で死亡する例も多くあります。カニコーラ型(レプトスピラ・カニコーラ):腎臓がおかされ、発熱、嘔吐、下痢や脱水症状、尿毒症を起こし死亡することもあります。
|
F 犬コロナウイルス感染症
犬コロナウイルス感染症は、腸炎を引き起こす感染症です。下痢や嘔吐が起こります。パルボウイルスと混合感染すると症状はいっそう重くなります。
|
ワクチンの種類
5種混合・・・上記@〜D
6種混合・・・上記@〜DF
8種混合・・・上記@〜F
<ワクチン接種に関してはこちらをご参照ください>
|
感染症以外でも気をつけなければならない病気がたくさんあります。なかでもフィラリアは犬のかかるる病気の中でも最も恐ろしい寄生虫病のひとつです。最近では予防方法が確立していますので、フィラリア予防は忘れずにおこなってください。
|
フィラリア予防
フィラリア(犬糸状虫))は、蚊が媒介する寄生虫です。犬の血液中にフィラリアの子どもがいる血を蚊が吸い、その蚊がほかの犬の血を吸うときに伝染します。犬の体に入ったフィラリアは、成長して心臓や動脈に寄生します。病状としては、血液の循環が悪くなり、腹水がたまったり、血色素尿、失神などがあります。病気に気がつかないうちに、突然死んでしまうこともある、とても恐ろしい病気です。
フィラリアの予防法としては、毎月1回、予防薬を飲ませる方法があります。飲ませる期間は、蚊が発生している間ですが、蚊がいなくなった後も1ヶ月間は与えます。与える時期は地域によって異なりますので獣医師の指示に従って毎月のませましょう。目安としては5月から12月中旬までと考えてください。
最近ではガンや糖尿病、アトピー、貧血、ヘルニア、アレルギー、肥満、腎炎、皮膚炎、白血病など人間がかかる病気と変わらない病気にかかる犬も珍しくありません。これらは生活習慣病といわれる病気で生活環境の悪化や精神的ストレスが要因となって引き起こされる症状で野生の動物ではみられません。かわいいからといって過保護は動物が本来もっている自然治癒力を低下させる結果になりますので、犬を飼う際は十分に注意してください。最近ではドッグのためのドッグを行う動物病院も現れました。
もしあなたのかわいい愛犬が病気にかかった場合はどうすればよいのでしょうか?もちろん病気になった場合は獣医さんに診てもらう他ないのですが、ここでは最近増えてきた動物病院同士の連携診療をご紹介します。
犬の病気も人間同様にさまざまです。すべての犬の病気に、ひとりで対応できる獣医さんはまずいないといえます。獣医さんにも専門分野があります。しかし動物病院の場合、人間の病院のように内科や外科、循環器科などの専門医あるいは専門病院は存在しません。ひとりの獣医さんがどんな病気にも対応しているのが現状です。
しかし最近ではセカンドオピニオン制を導入している動物病院が増えてきました。これは一人の獣医さんが診断するだけでなく、他の獣医の意見も取り入れて最終的な判断を行う制度で、海外の動物病院ではすでに確立されているシステムです。このような連携診療を行っている動物病院を選択するのも、愛犬を診療ミスから守る一つの手段といえます。
犬を飼う前に、ご自宅の近くに動物病院を探しておくことも可愛い家族の一員である、ワンちゃんのためには、大切なことだと思います。そのとき、セカンドオピニオン制を導入しているかどうか、問い合わせてみるとよいでしょう。
|
|
|